私が大切にしたい「介護施設」の空間について
こんばんは、バイスティックケアサービスの塚本です。
浜松市中区富塚町のサービス付き高齢者向け住宅おおるり富塚。
たくさんの施設を運営し、全国のたくさんの外部施設を見ていますが、
完成からもうすぐ3年経つ、このおおるり富塚の共同ダイニングの雰囲気は特別だと思います。
豪華とは違う肩肘張らないお洒落な雰囲気になっていて、ぬくもりを感じる落ち着く空間が演出されています。
入居希望者や採用希望者、施設視察者などを案内する際、この共同ダイニングの雰囲気について、
皆が「美しい空間」だと言ってくれます。
なぜ、美しい空間だと思うのだろうか。
それは、開設前からいつも以上に気合を入れて、
自ら配置や広さ、動線など設計段階から携わり、
クロスや床を選定したからなのかもしれません。
無垢材を使った作り手の思いの入ったオリジナル家具のおかげかもしれません。
職員が綺麗に掃除をし清潔を保ち、
植物の手入れをしてくれ、素敵な絵を飾ってくれるからなのかもしれません。
私が思うには、その全てが何層にも重なって、
他にはない特別な雰囲気を作り出しているのだと思います。
美しい空間には
「設計〜建築〜家具〜装飾〜運営」まで、
それぞれ携わる人のこだわりと思いが必要だと思います。
有名な設計士が建てた建築物も、掃除が行き届いていなければ残念な空間になるし、
無機質な建築物や家具では、いくら綺麗に保っていても美しい空間にはなりません。
運営側の意図と建築物がミスマッチだといい空間になることはありません。
介護施設は、介護を提供する場という以前に「毎日を過ごす場所」です。
いい雰囲気、美しい空間を提供することは、生活の豊かさにつながると思います。
こうした考えは介護施設ではあまり重視されていない傾向がありますが、
私は実はとても重要なことだと思っています。
12年前に他業種からこの業界に飛び込んで、
何も知らず施設の立ち上げを行う中で、様々な介護事業者の代表や責任者と話し感じた大きな違和感。
職員の手間やリスクを省くという原則。
植物は生花より造花で手間を減らす、
エレベータや掲示板には行動を制限する○○禁止の張り紙、
手入れのしやすさを第一に考えた建築素材や家具、
職員が使いやすいように廊下や共用部の見える場所に配置する消耗品のストック、
他業界からきた私には、全てが違和感でした。
リスクヘッジや効率化を優先するあまり、入居者本位の気持ちを蔑ろにしている気がしました。
訪れる人のことを全く考えていないような状態に、そもそも家族以外、誰かが訪れることは想定していないのだと悟りました。
介護施設は「こういうものだから」と押し付けようとする印象すら感じました。
この12年、私もその違和感に慣れようとしたこともありました。
手間や非効率を金額に換算して、それを正当化しようしたこともありました。
でも、いろいろ考えて、
私はやっぱりここは「入居者の住まい」であって、
職員のリスクや手間ばかりではなく、「生活の質」を上げることが大切であると思いました。
だから私は、施設の雰囲気や空間を大切にしたい。
手間がかかったって植物はあった方がいいし、
面倒でも毎回物品は出し入れした方がいい。
掃除はとても大切な仕事で、装飾もとても大切。
施設の主観とならないよう、できるだけ、色々な外部の人が訪れ、施設を見てもらった方がいい。
運営から現場まで、色々を経験して辿り着いた自分の考えの一つです。
これからも大切にしていきたいと思いますし、
そんな考えに、共感してもらいたいなと思います。
リライフ富塚
2024年2月、おおるり富塚の東150mのところに「シニア賃貸住宅 リライフ富塚」がオープンします。
リライフのホームページ https://relife-suyama.com/
■未来マチプロジェクト
是非動画もご覧ください!