2023グッドデザイン大賞「52間の縁側」デイサービスを見学@千葉県八千代市

こんばんは、バイスティックケアサービスの塚本です。

今日は、設計士と一緒に千葉県八千代市へ。

2023年グッドデザイン大賞を受賞した「52間の縁側」デイサービスを見学してきました。

あいにくの雨、勝田台駅からタクシーで向かいます。

こんなところにデイサービスがあるのかな、、という場所へ。

現地で、責任者の方が建物の案内やコンセプト、考え方、運営方法など丁寧に説明してくれました。

下記は僕なりの解釈と感想です。

玄関までのアプローチは、手すりがなくて、段差がたくさんある。

室内は、やはり手すりも少なく、十分にすれ違う広さもない。

長く続く縁側は、とってもいい雰囲気だけれど、転落の危険がある。

介護職員から、「危ないでしょ」という指摘が至る所にありそうな設計。

でも、そこにはとても大切な意味がある。

施設や事業の作り込み、職員教育やマニュアル作成など、

一般的な介護施設では、すべて「リスクを減らす」ことを前提とした作りが多いけれど

ここは全てにおいてそうではない。

「リスクをヘッジを前提とした考え方は、逆に何か大切なものを失くしてしまっている」

施設運営について、私がいつも感じていることを体現しているように感じた。

すれ違う廊下は、「避けながら」または「譲りながら」が必要。

そこに「どうぞ」が生まれる。

手すりがないことで、見守りや助け合いが生まれる。

他の人のことを気にかけるようになる。

ここには縛られたり、管理されたりするものがない。

「高齢者施設らしさが全く感じられない」

自宅の延長のような、どこか懐かして温かい雰囲気に包まれていた。

入り口にある下駄箱は、職員も利用者もみんな一緒。

履き間違えてもいいじゃん、みたいな緩い雰囲気、

間違いを笑いに変えてしまうようなやさしい空気感がある。

デイサービスの中には、職員と利用者以外にも犬がいたり、ボランティアの方がいた。

よく子供もくるらしい。

20名ほどいたけれど、

みんな私服だから、誰が職員で利用者か、よくわからない。

みんなが家族のように会話をしていた。

建物の作りも、そこにいる人たちも、空間や場所を分けることをしていない。

それが、この素敵な雰囲気を作っているのだと思う。

縁側の奥には、手作りの小屋にヤギがいた。

お風呂も素敵だった。

介護施設は、入浴での事故が多く、介助者の負担も大きい。

だから、浴室は介助が効率よく安全に行えるかを重視して設計する傾向があるけれど、

利用者に「気持ちよく入ってもらうこと」に視点をおくとまた設計も変わってくる。

昼食を利用者や職員の方と一緒にいただいた。

室内のオープンキッチンで調理した温かくて家庭的な料理だった。

キッチンには区切りがなく、誰もが出入りでき、利用者が手伝うこともできる。

「利用者:今日はいつもより少し食事が遅いかしら」

「職員:話してばかりだった、もうこんな時間なんだっ笑」

ここでは時間というのがキチキチとしていない。

一日のプログラムがあまり決まっていないらしく、

それぞれがやりたいことをやったり、

職員がその日の状況によって何かを始めたりするらしい。

考えてみると、

確かに普通の家は、毎日必ず決まった時間にご飯が出てくるわけではない。

飲食店であっても、注文して出てくるまでの時間は一定ではない。

その時の状況に応じて、料理ができるまで待つのが普通。

ましてや、高齢者の方たちには時間がある。

少しくらい遅くなったって問題はないよなぁと。

ここでのさりげない会話から、気付かされることがあった。

私は、自分で決めた時間のルールに、自分が縛られ、焦っていたのかもしれない。

ここは、職員も利用者も焦ることなく、ゆったりと時間流れている。

この建築物と運営スタイル、

ハードとソフトが「完全に一致している」姿をとても美しいと感じた。

医療や介護の技術が発展し、制度化、組織化していく中で

大きなメリットを得られる一方で、様々な制約や、それを加速させる風潮が進み、

我々働く側、利用者、どちらも、どこか窮屈に感じる現代。

ここには私たちが忘れかけていたものがあるのではないだろうか。

52間の縁側は、その他、地域と交流を行ったり、今後はカフェの計画があったり、

今後のワクワクするような展望があるようです。

見学させていただきありがとうございました。

当社も、自由な生活ができるサ高住を運営しています。

未来マチプロジェクトでは、高齢者施設を交流の場と位置付け「地域とのつながり」を大切に考えています。

協力いただいているパートナーのみなさまとは、単に販売者と購入者という関係に留まらず、

一緒に「これからの地域」を考えていく関係を築いています。

今日の見学をエネルギーにして、また活動に力を入れていきたいと思います。

リライフ富塚

2024年2月、おおるり富塚の東150mのところに「シニア賃貸住宅 リライフ富塚」がオープンします。

リライフのホームページ https://relife-suyama.com/

■未来マチプロジェクト

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